2010年3月16日 22:02
仲間が一つになる時
文楽の世界を初めて知った。
観たのは「曽根崎心中」。
偶然にも前の週に訪問した会社のそばにあったその舞台の一つである生玉社という神社にお参りしたばかりであった。何とも奇遇。
話の内容は…
醤油屋の徳兵衛が遊女のお初と恋をするが、徳兵衛に縁談の話が持ちかけられ、取り合わないでいるうちに親が縁談を決めて、当時300万円ほどのお金を継母が受け取ってしまった。縁談を断るため、返すべきそのお金を継母から取り返したものの、またそれを人のいい徳兵衛は一命にかけてと頼まれた友人に貸してしまった。しかし、お金は戻ってこず徳兵衛は友人に騙されてしまった。
挙句の果てには友人は徳兵衛を散々な目に合わせ、悪者扱いにして言いふらす。お初は徳兵衛をかばい、共に死を覚悟する。最後には徳兵衛とお初は天神森を歩みながら一緒に死ねることをうれしく思い、心中をすることになる。
最後に脇差を抜いた時、お初の顔を見た徳兵衛は決心したお初の顔が美しく見えて切っ先が緩んでしまった。
300年以上も伝えられている物語。
文楽が途絶えていた時代があってもこの物語はまた昭和30年に息を吹き返し、現代も哀れであっても美しい恋の話として文楽の世界で語り継がれている。
人形劇?と思いきや観ているうちに本当に命のある徳兵衛とお初の感情が伝わってくるのに驚いた。感動的である。
このたびお会いさせていただいた桐竹勘十郎さんは「主使い」と言ってこの徳兵衛のかしらと右手使いを行っている。人形は3人で1体を扱う、この主使いの指示は無言であるが、その呼吸を感じて一人は左手を、もう一人は両足を使う。そして三味線と歌が合い、5人が一つになり、人物の気持ちとなって芝居を演じるのである。
何十年と一緒に呼吸を合わせて演じ続けていることで表現力の豊かな人形使いとして名人になるのだろう。
その裏にはどれだけの練習と心を一つにする努力をしてきたことか。
仲間とそこまで一体化できた事が自分にはどれだけあるだろうか?
そこまで心を一つにできる努力、仲間づくりを自分の仕事の中にも作り上げたい。
アイデアだけでなく、勢いだけでなく、運だけでなく、力づくではなく、そんな心を一つになれる仲間づくり、会社づくりをしたいとつくづく思った。
人を感動させ、また自分たちも感動を分かち合える仲間づくりを。





